2025年7月06日

その裏に消化器の異常が隠れていることも
誰もが一度は経験する「しゃっくり」。通常は数分で治まりますが、数時間以上続いたり、頻繁に繰り返す場合は、ただの一過性の現象ではないかもしれません。
◆ しゃっくりはなぜ起きる?
しゃっくり(医学用語で「吃逆:きつぎゃく」)とは、横隔膜が不随意にけいれんし、その直後に声門が閉じることで「ヒック」となる現象です。この反射には、横隔膜を支配する横隔神経や、迷走神経、中枢神経が関与しており、これらが刺激されることでしゃっくりが生じます。
◆ 「長引くしゃっくり」は、消化器疾患のサインかも?
48時間以上続く「遷延性しゃっくり」や、1ヶ月以上持続する「難治性しゃっくり」は、内臓疾患や神経障害、さらには消化器の異常が関係しているケースがあります。
とくに注目すべきは以下のような疾患です:
- 胃食道逆流症(GERD)
胃酸が食道へ逆流し、食道や迷走神経を刺激することでしゃっくりが誘発されます。 - 食道がん・胃がん・膵がん
腫瘍が横隔膜周辺や神経を圧迫・刺激することで、しゃっくりが続くことがあります。 - 肝疾患(肝腫瘍・肝膿瘍など)や膵炎
炎症や腫瘤による刺激が神経に影響を及ぼします。 - 横隔膜ヘルニアや腸閉塞
腹部膨満や消化管内容物の逆流がしゃっくりの引き金になる場合もあります。
◆ 当院でできること:精査は「内視鏡検査」を含む消化器のチェックから
しゃっくりの原因が消化器にあるかどうかを見極めるには、胃カメラ(上部内視鏡検査)やCT検査が有用です。当院では以下のような流れで対応しています:
- 問診・診察:持続期間、発症時の状況、伴う症状を確認
- 血液検査・画像検査:炎症や腫瘍の有無をチェック
- 内視鏡検査:胃や食道の粘膜の状態を直接観察し、病変を確認
必要に応じて、薬物治療も行います。
◆ 「たかがしゃっくり」と思わず、消化器内科での評価を
しゃっくりは一見すると軽い症状ですが、見逃せない消化器疾患のサインであることもあります。
「最近しゃっくりがよく出る」「数時間~数日止まらない」といった方は、一度、専門的な評価を受けてみませんか?
内視鏡検査のご相談・ご予約はお気軽にどうぞ。
あなたのしゃっくりの原因、一緒に探してみましょう。