2025年7月08日

「ごはんを飲み込みにくい」「食べ物が胸につかえる感じがする」——
こうした違和感、実は消化器の病気のサインである可能性があります。
◆ 嚥下(飲み込み)がスムーズにいかない理由とは?
食べ物を飲み込む動作は、口・のど・食道・胃へと連携して行われる繊細な動きです。このどこかに異常があると、「つかえる」「飲み込みづらい」といった症状が現れます。
特に、食道に原因がある嚥下障害(器質性・機能性)が見逃されやすく、注意が必要です。
代表的な疾患には:
逆流性食道炎:胃酸が食道に逆流し、炎症を起こすことで飲み込みにくくなる
食道がん:初期は症状が乏しいこともあり、食事中の違和感が初発症状となることも
食道アカラシア:食道の運動がうまくいかず、食べ物が通過しにくくなる病気
食道裂孔ヘルニアや良性狭窄
こうした疾患は、早期に対応すれば治療可能なものが多いため、「いつもと違う」と感じたら放置しないことが大切です。
◆ 内視鏡検査で「つかえ」の原因を明らかに
当院では、胃カメラ(上部消化管内視鏡)を用いて、食道や胃の粘膜の状態を直接観察できます。検査は5~10分程度で終了し、鎮静剤を使用すれば眠っている間に終わることも可能です。
検査によって以下のようなことが分かります:
食道の狭窄や腫瘍の有無
炎症や潰瘍、逆流の程度
アカラシアなどの運動異常
異常があれば組織を一部採取して、がんや感染症の可能性を調べることも可能です。
◆ こんな症状がある方はご相談を
食べ物や薬が喉や胸で止まる感じがする
水やお茶なら通るが、固形物がつかえる
食後に咳き込んだり、むせたりする
食欲はあるのに食べづらくて痩せてきた
上記に当てはまる方は、早めの受診をおすすめします。
◆ 最後に
「年齢のせいかな」「疲れてるだけかも」と見過ごされがちな“つかえ感”。
でもその違和感の背景に、命にかかわる病気が隠れていることも少なくありません。
当院では、消化器内科・内視鏡専門医による丁寧な問診と検査で、
原因を明らかにし、適切な対応を行っています。
気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください!