2025年8月06日

冬場に多く流行する感染性胃腸炎の代表的な原因が「ノロウイルス」です。毎年12月~2月頃に患者数が増加し、学校や職場、施設などで集団発生を起こすこともあります。非常に感染力が強く、わずかなウイルス量で発症するのが特徴です。
どんな症状が出るの?
感染から1~2日の潜伏期間を経て、次のような症状が現れます。
激しい嘔吐
水のような下痢
腹痛
軽度の発熱
通常、症状は1~3日程度で自然に軽快しますが、乳幼児や高齢者では脱水症状に注意が必要です。
どうやって感染するの?
ウイルスを含む食品(特に二枚貝)を食べたとき
感染者の嘔吐物や便に触れたとき
ウイルスが付着した手や物を介した接触感染
非常に感染力が強いため、家庭や施設内での二次感染に注意が必要です。
検査や治療は?
● 検査
一般的には症状と流行状況で診断しますが、確定診断のために便のウイルス検査を行うこともあります。
当院では、ノロウイルス抗原検査を院内で実施し、その場で結果をご案内できます。
保険適用になるケース(検査の適応)
65歳以上の方
3歳未満の乳幼児
重度の脱水が疑われる方や基礎疾患をお持ちの方
※上記以外で検査を希望される場合は、自費(自由診療)での対応となります。詳しくはお問い合わせください。
● 治療
ノロウイルスに効く特効薬はありません。治療の基本は次のとおりです。
脱水予防のため、水分・電解質をしっかり補給(経口補水液がおすすめ)
嘔吐や下痢が続く場合は、無理に食事をせず、消化の良い食事から再開
高齢者・乳幼児・基礎疾患がある方は重症化しやすいため、早めの受診を
予防のポイント
手洗いの徹底(石けんと流水でしっかり)
調理器具の消毒(85℃以上で1分間加熱、または次亜塩素酸ナトリウムを使用)
嘔吐物や便の処理時は手袋・マスクを着用し、後片付け後は消毒を
※アルコール消毒はノロウイルスには効果が低いため注意が必要です。
★メッセージ
ノロウイルス感染症は毎年多くの方がかかる身近な病気ですが、感染力が非常に強いため、家庭や施設での広がりに注意が必要です。
強い吐き気や下痢で水分が取れない場合や、脱水が心配なときは、早めに医療機関を受診しましょう。
当院では、院内で迅速にノロウイルス検査が可能です。65歳以上や3歳未満の方は保険適用、それ以外の方も自費で検査できますので、不安な方はお気軽にご相談ください。