2025年8月04日

「いつもと違う色」には要注意!
毎日の健康チェックで意外と見落とされがちな便の色。
実は、消化管や肝臓・膵臓・胆道の異常を知らせる大切なサインです。
今回は、便の色から考えられる病気と、受診の目安について解説します。
1. 便の色でわかること
便の色は、食事や胆汁の働き、消化管の状態によって決まります。
通常は黄褐色~茶色が健康な色です。これは、胆汁色素(ビリルビン)が腸内で変化してできるためです。
2. 気をつけたい便の色と原因
● 黒色便(タール便)
考えられる原因:胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、食道静脈瘤など上部消化管出血
特徴:粘り気があり、コールタールのような黒色
要注意! 出血の可能性があるためすぐに医療機関を受診
● 赤色便
考えられる原因:痔、裂肛、虚血性腸炎、大腸がん、大腸憩室出血
ポイント:鮮やかな血なら肛門付近、暗い血なら大腸奥の出血の可能性
● 白色便(灰白色)
考えられる原因:胆石、胆管閉塞、膵がん、閉塞性黄疸
胆汁が腸に届かない状態のサイン
● 黄色便
脂肪の吸収不良などで起こることがあります
●緑色便 下痢時など腸管通過時間の短縮で起こることがあります
3. 受診の目安
黒い便、赤い便が続く場合
白っぽい便が続く場合
下痢や便秘を伴い、体重減少や倦怠感がある場合
これらは消化器の重大な病気のサインかもしれません。
特に大腸がん・胃がんの早期発見には、内視鏡検査が重要です。
4. 当院でできること
胃カメラ(内視鏡)で上部消化管の確認
大腸カメラで大腸の精密検査
腹部エコー・腹部CTや採血で肝胆膵疾患の評価
「便の色がいつもと違う」――これは体からのサインです。
早めの受診をお勧めします。
★メッセージ
「便の色は健康のバロメーター。気になる色が続くときは、自己判断せずにご相談ください。」