2025年7月17日

「急にお腹が痛くなって、トイレに行ったら血が混じっていた…」
「下腹部がキリキリ痛んで、下痢が止まらない…」
そんな症状、もしかしたら「虚血性腸炎」かもしれません。
◆ 虚血性腸炎とは?
虚血性腸炎は、主に大腸の血流が一時的に悪くなることで炎症を起こす病気です。特に「左側の下腹部」が痛み、便に血が混じるといった症状が特徴的です。
この病気はご高齢の方や便秘気味の方、動脈硬化のある方に多く見られますが、若年層でも発症することがあります。
◆ どんな症状があったら注意?
突然の左下腹部の痛み
血便、または赤黒い便
腹痛とともにトイレに駆け込むような下痢
お腹を押すとピンポイントで強く痛む
これらの症状がある場合は、速やかに受診することをおすすめします。
◆ 診断には画像検査や内視鏡が有効です
診断のためには、腹部CTなどの画像検査を行い、炎症の範囲や重症度を確認します。さらに、必要に応じて**大腸カメラ(下部消化管内視鏡)**によって腸の粘膜の状態を直接観察し、確定診断につなげます。
実際の内視鏡画像では、腸の内側に赤くただれたような炎症や潰瘍が見られることが多く、診断に有用です。
◆ 治療は?
ほとんどの場合は、絶食や点滴など保存的治療で1~2週間ほどで改善します。ただし、まれに重症化し、狭窄(腸の通りが悪くなる)や手術が必要になるケースもあります。
◆ 再発を防ぐために
便秘や脱水が再発の要因となるため、
食物繊維や水分の摂取
規則正しい排便習慣
定期的な内科フォロー
が大切です。
◆ メッセージ
虚血性腸炎は一見怖そうに聞こえる病気ですが、早期発見・適切な治療でしっかり改善する病気です。
「なんだかいつもと違う腹痛」「血が混じった便が出た」という時は、自己判断せずにぜひ当院へご相談ください。CT検査や内視鏡検査を含めた精密な評価を行い、専門医が責任を持って対応いたします。