2025年8月12日

〜ヒスタミン中毒とは〜
魚を食べたあとに
「急に顔が赤くなってドキドキしてきた」
「口の中がピリピリしてかゆくなった」
そんな経験はありませんか?
これはヒスタミン中毒(ヒスタミン食中毒)と呼ばれる食中毒かもしれません。
アレルギーのような症状が出ますが、実は誰にでも起こる可能性がある点が特徴です。
ヒスタミン中毒ってどんな病気?
ヒスタミン中毒は、マグロ・カツオ・サバ・イワシ・ブリなどの赤身魚や、その加工品を食べたあとに発症します。
魚の中に含まれる「ヒスチジン」というアミノ酸は、鮮度が落ちたり常温放置されるとヒスタミン産生菌の働きで「ヒスタミン」に変化します。
一度できたヒスタミンは加熱や調理では壊れないため、火を通しても安全にはなりません。
主な症状
食後、数分〜1時間以内に急に現れることが多く、以下のような症状が見られます。
顔や耳のまわりの赤み(紅潮)・ほてり
じんましん、かゆみ
頭痛
吐き気、腹痛、下痢
動悸、息苦しさ
口や舌先のピリピリ感
ほとんどは6〜10時間で自然に回復しますが、重症では血圧が下がったり呼吸が苦しくなることもあります。
アレルギーとの違い
見た目はアレルギー反応にそっくりですが、ヒスタミン中毒はアレルギー体質に関係なく誰でも発症します。
原因は「魚にできたヒスタミン」を食べることであり、初めてその魚を食べた方でも起こります。
当院での対応
当院では、症状や食事内容、発症までの経過を確認します。
必要に応じて抗ヒスタミン薬の内服や点滴で症状をやわらげ、重症時は状況に応じて連携医療機関などへご紹介します。
予防のポイント
魚は購入後すぐに冷蔵庫または冷凍庫へ
常温放置を避ける
エラや内臓は早めに取り除く
鮮度が落ちた魚は食べない
強い刺激感や異臭があれば食べずに処分する
こんな時は受診を
魚を食べてすぐ〜1時間以内に顔や首が赤くなった
発疹、かゆみ、動悸、息苦しさが出た
強い頭痛、吐き気、下痢が出ている
「そのうち治るだろう」と放置せず、早めに医療機関へ。
当院では必要に応じて血液検査や内視鏡検査も行い、原因を検索して適切な治療につなげます。