急性腸炎・感染性胃腸炎|よしはら内科・内視鏡クリニック|石橋阪大前駅 最寄り
感染性腸炎(食中毒)とは

感染性腸炎とは、ウイルスや細菌などの病原微生物が腸管に感染し、腹痛や下痢、嘔吐を引き起こす疾患の総称です。ウイルス性と細菌性に大別され、冬場にはノロウイルスやロタウイルス、夏場にはカンピロバクター菌やサルモネラ菌などが多く発生します。
主な感染経路
- 食品・水の摂取:汚染された食品や水を飲食
- 接触・飛沫感染:感染者の便や嘔吐物に触れた手を介して口から感染
- 二枚貝や生肉:加熱不十分な牡蠣や鶏肉など
症状の特徴
軽症の場合は数日で自然治癒しますが、重症化すると脱水症状を引き起こし、特に小児や高齢者では注意が必要です。発熱、腹痛、下痢、嘔吐が主な症状で、細菌性の場合は血便を伴うことがあります。
主な感染性腸炎の種類
ウイルス性腸炎
- 感染力が強く、少量でも感染。
- 嘔吐、下痢、腹痛、軽度の発熱。
- 牡蠣などの二枚貝や感染者との接触で感染。
- 生後7~15カ月の乳幼児に多く、高熱や激しい水様性下痢。
- まれに神経症状や肝障害を伴う。
- ワクチン接種で重症化予防が可能。
細菌性腸炎
- 鶏肉が主な感染源。
- 高熱、血便、水様性下痢。
- 潜伏期間が2~8日と長い。
- 鶏卵・食肉が主な感染源。
- 38度以上の高熱、腹痛、血便。
- まれに菌血症や腎不全を引き起こす。
- 牛・豚肉、加工品、生野菜が感染源。
- 激しい腹痛、血便、高熱。
- 溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症すると重篤化。
寄生虫感染
- サバ、イカなどの魚介類が原因。
- 食後数時間で激しい胃痛や嘔吐。
- 内視鏡で虫体を除去すると速やかに回復。
感染性腸炎の診断・検査
- 問診
症状の発生時期や食事歴、旅行歴の確認。
- 血液検査
体の炎症反応や脱水の有無を評価。
- 便検査
ウイルス(ノロ・ロタ)や細菌培養(O157、サルモネラ等)を実施。
- 画像検査(CT・X線)
重症例では腸の異常を確認。
治療方法
感染性腸炎の多くは対症療法で回復します。
- 経口補水液(OS-1など)をこまめに摂取。
- 重度の脱水時は点滴による補液。
- カンピロバクター・サルモネラ腸炎では必要に応じて抗菌薬。
- O157など腸管出血性大腸菌には原則抗菌薬を使用しない(HUS予防のため)。
- 解熱剤(アセトアミノフェン):高熱時に使用。
- 制吐剤:嘔吐がひどい場合。
- 下痢止めは原則使用しない(毒素の排出を妨げるため)。
予防方法
感染性腸炎の予防には衛生管理と食品の適切な取り扱いが重要です。
- 食事前、調理前、トイレ後の石けんによる手洗い。
- 調理器具の十分な洗浄・消毒。
- 食肉・魚介類は中心部まで十分に加熱(75℃以上1分間)。
- 生野菜は流水でよく洗う。
- 調理後の食品は速やかに冷蔵庫へ保存。
- 感染者の吐物・便の処理は使い捨て手袋を使用。
- 共有タオルの使用を避け、便座やドアノブの消毒を徹底。
受診の目安
以下の症状がある場合は早めの受診が必要です。
- 高熱(38.5℃以上)
- 頻回の嘔吐や水様性下痢による脱水症状
- 血便がある
- 腹痛が強く続く
当クリニックでは、内視鏡、エコー、CT、血液検査を活用し、迅速な診断と適切な治療を提供しております。感染性腸炎が疑われる場合は、お気軽にご相談ください。