2026年9月21日

「血便が出たけれど、いつもの痔だと思う」
そう考えて受診を先延ばしにしてしまう方は少なくありません。しかし、痔による血便と大腸がんによる血便を見た目だけで正確に見分けることは、専門医であっても簡単ではありません。この記事では、両者の一般的な傾向の違いと、自己判断の危険性について解説します。
痔による血便の一般的な特徴
いぼ痔(痔核)や切れ痔(裂肛)による血便は、排便時のいきみで肛門周辺の血管が傷つくことで起こります。一般的には、便器やトイレットペーパーに鮮やかな赤色の血液が付着する程度で、便そのものに血が混ざり込むことは比較的少ない傾向があります。排便時の痛みを伴うこともあります。
大腸がんによる血便の一般的な特徴
大腸がんによる出血は、便に血液が混ざり込む形で現れることが多く、色は鮮血〜暗赤色までさまざまです。初期には自覚症状がほとんどなく、進行すると便が細くなる、残便感がある、体重が減るといった症状を伴うことがあります。ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、当てはまらないケースも多く存在します。
見た目だけで見分けるのが難しい理由
痔と大腸がんの血便には、色や量に重なる部分が多く、症状だけで確実に区別することはできません。さらに、痔と大腸ポリープ・大腸がんが同時に存在しているケースも珍しくなく、「痔があるから大腸に異常はない」とは言い切れません。実際に、長年痔の治療を受けていた方が、進行した大腸がんが見つかるケースも報告されています。
自己判断が危険な理由
痔だと思い込んで様子を見ている間に、大腸がんが進行してしまうケースは臨床の現場でも見られます。大腸がんは早期に発見できれば治療の選択肢が広がりやすいとされる一方、進行すると治療の負担も大きくなります。血便に気づいた際は、「痔だろう」と自己判断せず、消化器内科で原因を確認することが安全です。
確実な見分け方は大腸カメラによる確認
痔と大腸がんを確実に区別する方法は、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)で大腸内部を直接観察することです。検査によって痔核の有無だけでなく、大腸ポリープやがんの有無まで一度に確認できます。「痔の治療を受けているから安心」と考えず、40歳を過ぎたら一度大腸カメラを受けておくことをおすすめします。
よしはら内科・内視鏡クリニックでの検査
「痔の治療歴があっても、大腸に異常がないとは限りません。『いつもの痔』と決めつけず、一度大腸カメラで確認しておくと安心です。当院では鎮静剤を使用し、眠っている間に検査が終わるため、初めての方でも受けやすいと好評をいただいています」(吉原友篤院長)
まとめ
痔と大腸がんの血便は、見た目だけで確実に見分けることはできません。「痔だから大丈夫」という自己判断は避け、血便が気になる場合は大腸カメラで直接確認することが、安心につながる最も確実な方法です。
監修者プロフィール
吉原友篤(よしはら・ともあつ)
よしはら内科・内視鏡クリニック 院長
内視鏡専門医/消化器内科専門医/麻酔科標榜医

