2026年9月24日

高齢になるほど、血便の原因として若い世代とは異なる病気が増えてきます。代表的なものが「虚血性腸炎」と「憩室出血」です。この記事では、高齢の方に多くみられる血便の原因と、注意すべきポイントについて解説します。
高齢者に血便が増える背景
加齢に伴い、血管の状態や腸の動き、服用する薬の種類が変化することで、若い世代とは異なる原因による血便が増えてきます。特に、動脈硬化や抗血栓薬の服用、大腸の憩室(粘膜が外側に突き出た小さな袋状の構造)の増加が関係しています。
虚血性腸炎とは
虚血性腸炎は、大腸への血流が一時的に低下することで、腸の粘膜に炎症や損傷が起こる病気です。突然の腹痛のあとに血便を伴う下痢がみられるのが特徴で、便秘がちな方や血管が硬くなりやすい高齢の方に多くみられる傾向があります。多くは安静と食事療法で改善しますが、重症化するケースもあるため、症状が強い場合は速やかな受診が必要です。
大腸憩室出血とは
大腸の壁にできた憩室という小さな袋状の部分から出血する病気です。痛みを伴わずに、突然大量の血便が出ることがあるのが特徴です。加齢とともに憩室ができやすくなるため、高齢の方に多くみられます。出血量が多い場合は、入院での止血処置が必要になることもあります。
抗血栓薬(血液をさらさらにする薬)との関係
脳梗塞や心疾患の予防のために抗血栓薬を服用している方は、腸からの出血が起こりやすく、また出血した際に血が止まりにくい傾向があります。抗血栓薬を服用中の方に血便がみられた場合は、自己判断で服薬を中止せず、早めに医療機関を受診し、医師に服薬内容を伝えることが大切です。
高齢者の血便で受診が必要なサイン
- 突然の血便(痛みの有無を問わず)
- 腹痛のあとに血便を伴う下痢が出た
- 抗血栓薬や鎮痛薬を服用している
- めまいや立ちくらみ、動悸などの貧血症状がある
高齢の方は症状を我慢しがちな傾向がありますが、血便は体からの重要なサインです。ご家族が気づいた場合も、早めの受診をすすめてあげてください。
よしはら内科・内視鏡クリニックでの検査対応
「高齢の方の血便は、虚血性腸炎や憩室出血など、若い世代とは異なる原因が隠れていることがあります。特に血液をさらさらにするお薬を服用されている方は、自己判断せず、服薬内容も含めてご相談いただければと思います」
まとめ
高齢の方の血便は、虚血性腸炎や憩室出血など、加齢に伴い増える病気が原因となっていることがあります。抗血栓薬を服用している方は特に注意が必要です。突然の血便や体調の変化に気づいたら、我慢せず早めに消化器内科を受診しましょう。
監修者プロフィール
吉原友篤(よしはら・ともあつ)
よしはら内科・内視鏡クリニック 院長
内視鏡専門医/消化器内科専門医/麻酔科標榜医

