2026年9月21日

血便と一口にいっても、色は人によってさまざまです。鮮やかな赤色のこともあれば、暗い赤色や黒っぽい色のこともあります。実はこの色の違いが、出血している場所を推測する重要な手がかりになります。この記事では、血便の色ごとに考えられる出血部位と原因について解説します。
血便の色が示す出血部位の目安
消化管のどの部分から出血しているかによって、便に混ざる血液の色は変化します。これは血液が腸内を通過する時間や、消化液にさらされる時間の違いによるものです。
鮮血便(赤色)
鮮やかな赤色の血液が便に付着・混入している場合、肛門に近い直腸や、大腸の下流部分からの出血が考えられます。痔核や裂肛のほか、直腸ポリープ、直腸がんなどが原因となることがあります。出血後すぐに排出されるため、血液の色が変化しにくいのが特徴です。
暗赤色便
やや黒みがかった暗い赤色の場合、大腸のより上流(盲腸や上行結腸に近い部分)からの出血や、出血してから排出までに時間がかかっているケースが考えられます。大腸ポリープや大腸がん、憩室出血、虚血性腸炎などが原因となることがあります。
黒色(タール便)
便全体が黒っぽく、粘り気のあるタール状になっている場合は、胃や十二指腸など上部消化管からの出血(下血)が疑われます。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどが原因となることがあり、出血量が多いこともあるため注意が必要です。
色だけで自己判断してはいけない理由
血便の色は出血部位を推測する目安にはなりますが、確定的な診断材料ではありません。少量の出血や、便の通過時間によって色の見え方が変わることもあります。また、鉄剤やビスマスを含む薬剤、特定の食品によって便が黒っぽく見えることもあるため、色だけで「大丈夫」「危険」と判断するのは避けましょう。
受診の際に伝えるとよいポイント
- 血便の色(鮮血・暗赤色・黒色など)
- 血便が出た頻度やタイミング(排便のたびに/時々)
- 血液の量(少量付着/便器が赤く染まるほど、など)
- 腹痛・下痢・発熱・体重減少など他の症状の有無
これらの情報を伝えることで、医師が原因を絞り込みやすくなり、必要な検査を的確に判断できます。
よしはら内科・内視鏡クリニックでの検査対応
「血便の色は大切な手がかりですが、それだけで診断することはできません。当院では問診で色や状況を詳しくお伺いしたうえで、必要に応じて胃カメラ・大腸カメラの両方で出血源を確認しています」(吉原友篤院長)
まとめ
血便の色は、鮮血便・暗赤色便・タール便のいずれかによって、出血部位の目安が異なります。ただし色だけで原因を断定することはできないため、正確な診断には内視鏡検査が欠かせません。気になる血便が続く場合は、早めに消化器内科を受診しましょう。
監修者プロフィール
吉原友篤(よしはら・ともあつ)
よしはら内科・内視鏡クリニック 院長
内視鏡専門医/消化器内科専門医/麻酔科標榜医

